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僕の伴侶は蜷局を巻く
第10章 10
「ただいま!」ミハルは大声で宣言した。けれど返事はなく、冷蔵庫の機械音が静かに響いているだけだった。
なるほど、彼はまだ帰っていないのね。今回はラッキーだったわ。ミハルは食料品がこぼれそうなほどの入った袋をキッチンに下ろし、大急ぎでシャワーを浴びた。十分後、ワンピースでフレアに広がるレイヤード・スカートに着替えて、彼女はキッチンに戻った。髪は上のほうだけ髪留めで押さえ、残りは肩に垂らすことにした。これなら女性らしい気分に浸れるし、料理の邪魔にもならない。
食料品を仕分けして、夕食に必要な材料をそろえたのち、ミハルは場所のセッティングに取りかかった。質素なキッチン兼ダイニングルームは手のほどこしようが難しいがテーブルには買ってきたブルーとゴールドのチェックのテーブルクロスをかけ、中央にキャンドルを二本おいて、二人分の場所を用意した。予想どうり、安価な食器は真っ白で味もそっけもなかったので、テーブルクロスに似合うナプキンを取り出して、色を添えた。
ミハルは後ろに下がり、できばえを吟味した。なかなかいいわ。陽気な感じ。誘うような。でもまだ、何かが足りない…。
ふとひらめいて、ミハルは駆けだし、鞄に入れておいた貝殻の袋を取ってきた。完ぺきだわ。二人が本当の意味で結ばれていた、あの日を思い出させてくれる。あの日が私にとってどれほど大きな意味を持つかがわかったら、今日の無愛想な態度を彼も少しは許してくれるのではないかしら。
なるほど、彼はまだ帰っていないのね。今回はラッキーだったわ。ミハルは食料品がこぼれそうなほどの入った袋をキッチンに下ろし、大急ぎでシャワーを浴びた。十分後、ワンピースでフレアに広がるレイヤード・スカートに着替えて、彼女はキッチンに戻った。髪は上のほうだけ髪留めで押さえ、残りは肩に垂らすことにした。これなら女性らしい気分に浸れるし、料理の邪魔にもならない。
食料品を仕分けして、夕食に必要な材料をそろえたのち、ミハルは場所のセッティングに取りかかった。質素なキッチン兼ダイニングルームは手のほどこしようが難しいがテーブルには買ってきたブルーとゴールドのチェックのテーブルクロスをかけ、中央にキャンドルを二本おいて、二人分の場所を用意した。予想どうり、安価な食器は真っ白で味もそっけもなかったので、テーブルクロスに似合うナプキンを取り出して、色を添えた。
ミハルは後ろに下がり、できばえを吟味した。なかなかいいわ。陽気な感じ。誘うような。でもまだ、何かが足りない…。
ふとひらめいて、ミハルは駆けだし、鞄に入れておいた貝殻の袋を取ってきた。完ぺきだわ。二人が本当の意味で結ばれていた、あの日を思い出させてくれる。あの日が私にとってどれほど大きな意味を持つかがわかったら、今日の無愛想な態度を彼も少しは許してくれるのではないかしら。