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僕の伴侶は蜷局を巻く
第10章 10
外の明かりがもれてくるので、特に電気をつけずに、ユウキは冷蔵庫を目指した。同じ方向から、おいしそうなガーリックの香りも漂ってくる。お嬢様がピザでも食べたのだろうか?洋食が好きだからな。運がよければひと切れ残っているかもしれない。
冷蔵庫のドアを開けた瞬間、彼は目をしばたたいた。野菜をはじめ、こまごましたものがあふれんばかりに並び、ラップを張ったサラダと、調理前のシーフードののった皿が置かれている。キキの料理か?ここまでやらせたのか、お嬢様め…。
思わず、あとずさると、冷蔵庫の明かりに照らされて、いつもは何もないカウンターの上に並んだ品々が目に入った。官舎には暗黙のルールがあることをキキは知っている。キキは泊まっているのか…妖精とは聞こえのいいだけで結局は獣人だな。ユウキは顔をしかめて、冷蔵庫のドアから手を離し、キッチンの明かりをつけた。ガス代に鍋がのり、すぐそばに、袋に入ったままのパスタが置いてある。しかし彼が足を止めたのは、テーブルのせいだった。ごく親密な感じで、二人分だけの夕食が用意されている。
「こ、これは…」ユウキはわなわなとテーブルに近づいた。ワインのボトル。見覚えのないテーブルクロス。キャンドル。そして貝殻。お嬢様が僕のためにディナーを? 僕はまったくの逆どころかキキさえ疑った…なんてゲス野郎なんだ。お嬢様は明らかに、僕を待っていてくれたんだ。
冷蔵庫のドアを開けた瞬間、彼は目をしばたたいた。野菜をはじめ、こまごましたものがあふれんばかりに並び、ラップを張ったサラダと、調理前のシーフードののった皿が置かれている。キキの料理か?ここまでやらせたのか、お嬢様め…。
思わず、あとずさると、冷蔵庫の明かりに照らされて、いつもは何もないカウンターの上に並んだ品々が目に入った。官舎には暗黙のルールがあることをキキは知っている。キキは泊まっているのか…妖精とは聞こえのいいだけで結局は獣人だな。ユウキは顔をしかめて、冷蔵庫のドアから手を離し、キッチンの明かりをつけた。ガス代に鍋がのり、すぐそばに、袋に入ったままのパスタが置いてある。しかし彼が足を止めたのは、テーブルのせいだった。ごく親密な感じで、二人分だけの夕食が用意されている。
「こ、これは…」ユウキはわなわなとテーブルに近づいた。ワインのボトル。見覚えのないテーブルクロス。キャンドル。そして貝殻。お嬢様が僕のためにディナーを? 僕はまったくの逆どころかキキさえ疑った…なんてゲス野郎なんだ。お嬢様は明らかに、僕を待っていてくれたんだ。