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僕の伴侶は蜷局を巻く
第12章 12
手を洗い、顔を洗いながら、ミハルはふと鏡に映った自分の姿に目を留めた。これは本当に私の眼? こんなに輝いているなんて。頭はいまも痛いけれど、ここへ来てわずかな時間ですっかり外観が変わっている。肌は赤みを帯び、目はきらきらと輝き、唇はふくらみを増してピンクに色づいている。

見るからに…愛されてる女性って感じ。だって、そうよ。ユウキがなんと言おうと、私は愛されていると感じた。彼が言葉で愛していると言ってくれれば、いま以上に幸せな気分になるかしら? いいえ、そうは思わない。

ふいに下腹部に差し込みを感じ、ミハルは頭痛の原因に気づいた。どうやら生理が近いらしい。彼女はお腹に手を当て、痛みが去るのを待った。来月こそ、ユウキが待ち望んでいる赤ちゃんを身ごもれるかもしれない。こんどは彼だけでなく、私もそれを望んでいる。

ミハルは、お腹に当てた手を広げた。私の中で、ユウキの赤ちゃんが大きくなっていく……。かつては恐ろしくてたまらなかったのに、いまはこんなにわくわくする。

ミハルは鎮痛剤を飲もうと、二番目の引き出しに手をのばした。でも、以前、官舎に移動する際に片づけていたのを思い出した。今回は持ってきたかしら。体にタオルを巻いて出ようとしたところで、ユウキと鉢合わせした。
「出るのか?」
「馬車からハンドバッグを持ってこようと思って」
「どうした?」
「少し頭痛がするの。たぶん鎮痛剤を持ってきたと思うから…キキが預かってるかも」

ユウキは彼女の肩に手をのせた。「僕が行こう」彼はローブに手をのばした。
「大丈夫よ。自分で行くわ」ミハルは話している間に、彼はそのまま向かってしまった。
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