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僕の伴侶は蜷局を巻く
第13章 終章13
その後も苦しいことに変わりはないが、岸まで戻る必要はない。ミハルは力を使い果たしてしまわないよう波に逆らわないように気をつけていたが、蛇尾ではバランスが取れず立っていられない。緊張が解け、冷えた身体と息苦しさで意識が遠のく。腕をばたつかせると混乱しそうになる。ユウキ早く戻ってきて。
彼女はブラックアウトした。
ふっとミハルが気づくと病院のベッドの上だった。振り向くと母ハーリーが自分の手を握っている。「ミハル、気がついたのね」
「お母さん…」ミハルは、身体の疲労が取れていることに気づいた。
「さっきまで、あなたが助けたお子さんのお母さまがお見えになっていたのよ」ハーリーは両手でミハルの手を握ったままもう一方の両手でミハルの頭を撫でた。「感謝していたわ。おそらく明日にでも、もう一度いらっしゃるかも」
肝心な人がいないことに気づき、ミハルは正直に喜べない自分に泣きそうになった。
ハーリーはミハルの涙を拭った。「あなたがあの浜で人を助けた、だなんて運命を感じるわ…イザナミ神が導いたのかもしれない…いやユウキのお母さまがあなたを呼んだのかもしれないわね」
ミハルは思わず問いかけた。「どういうこと?」
「話していなかったわね…。私は彼のお母さまにあの海で命を助けてもらったのよ。そのとき、あなたがお腹にいた。そのまま彼のお母さまは帰らぬ人となってしまった」
なんということなの。母がまだしゃべっているなかで意識がぼんやりとする。彼があの海にこだわるわけ、波に過剰に反応する理由が…だから彼はあんなに怒ったのか…。
彼女はブラックアウトした。
ふっとミハルが気づくと病院のベッドの上だった。振り向くと母ハーリーが自分の手を握っている。「ミハル、気がついたのね」
「お母さん…」ミハルは、身体の疲労が取れていることに気づいた。
「さっきまで、あなたが助けたお子さんのお母さまがお見えになっていたのよ」ハーリーは両手でミハルの手を握ったままもう一方の両手でミハルの頭を撫でた。「感謝していたわ。おそらく明日にでも、もう一度いらっしゃるかも」
肝心な人がいないことに気づき、ミハルは正直に喜べない自分に泣きそうになった。
ハーリーはミハルの涙を拭った。「あなたがあの浜で人を助けた、だなんて運命を感じるわ…イザナミ神が導いたのかもしれない…いやユウキのお母さまがあなたを呼んだのかもしれないわね」
ミハルは思わず問いかけた。「どういうこと?」
「話していなかったわね…。私は彼のお母さまにあの海で命を助けてもらったのよ。そのとき、あなたがお腹にいた。そのまま彼のお母さまは帰らぬ人となってしまった」
なんということなの。母がまだしゃべっているなかで意識がぼんやりとする。彼があの海にこだわるわけ、波に過剰に反応する理由が…だから彼はあんなに怒ったのか…。