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僕の伴侶は蜷局を巻く
第5章 5-初夜
これが性の営みというものなのだとミハルは思った。想像をはるかに上まわるすばらしさだ。嫌いな相手でもこんなふうになるなら、本当に好きな相手となら、いったいどういう感じがするのかしら?

ミハルは目を閉じたまま落ち着きを取り戻したユウキから抜け出して、何かを着ようと思った。

しかしミハルが離れようとすると、彼女を抱くユウキの腕に力がこもった。
「ダメだ」

見開かれたユウキの目には、黒い稲妻が光っている。彼は手をついて、ミハルを見下ろした。
「なぜ処女だと黙っていた?」


沈黙が垂れこめる。緊張した空気が、今にも極限に達しそうだ。なるほど、彼は気づいたのね。でも、何だっていうのよ?

ミハルは喉をゴクリとさせた。急に気まずさがこみあげる。「なんでわかったの?」
「僕を誤魔化そうとしたのか?」

ミハルは肩をすくめ、顔をそむけた。「普段からヤってる人にはわかるのね」
「痛くなかったか?」
「気にしなくていいわ」
「事前に言うべきだろう」
「なんでよ? 言えば何か変わったの? そうは思えないけどっ!」

ユウキの目が険しくなり、光と影が躍った。

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