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僕の伴侶は蜷局を巻く
第6章 6
テーブルが片づけられ、お茶が運ばれ、二人の間にようやく穏やかな空気がうまれつつあった。ミハルは、海を眺めるユウキの横顔を観察した。あっさりした草食男子にしか見えない彼は国の戦士には見えない。そう思いながら、彼女は水で薄め冷ましたお茶を一口飲んだ。
ユウキが振り返り、彼女の値踏みするようなまなざしに気づいて、眉をひそめた。
「何を考えている?」
ミハルは急に見透かされたような気がして、湯飲みを両手で包んだ。
「どうして軍人になったの…?」
ユウキは苦笑した。「悪いヤツと戦う為さ」
ミハルは、まっすぐに彼を見つめた。「悪いヤツ…って?私たち幕府の者とか?これから戦争するかも知れないロシアの人?」
「悪いヤツ…その判断に思想とか国境なんて関係ない」ユウキは椅子にもたれ、腹の前で手を組んで天井を見上げた。
【日露戦争】
本作では日露戦争が控えています。
ユウキが振り返り、彼女の値踏みするようなまなざしに気づいて、眉をひそめた。
「何を考えている?」
ミハルは急に見透かされたような気がして、湯飲みを両手で包んだ。
「どうして軍人になったの…?」
ユウキは苦笑した。「悪いヤツと戦う為さ」
ミハルは、まっすぐに彼を見つめた。「悪いヤツ…って?私たち幕府の者とか?これから戦争するかも知れないロシアの人?」
「悪いヤツ…その判断に思想とか国境なんて関係ない」ユウキは椅子にもたれ、腹の前で手を組んで天井を見上げた。
【日露戦争】
本作では日露戦争が控えています。