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僕の伴侶は蜷局を巻く
第6章 6
「それと私達を裏切ったのはリンクするの?」
「…わずかにするな」ユウキの視線はずっと天井に向けられているが、実際は見ているわけではない。
「お父さんと兄さんは悪いヤツだと思う?」
「…思わない…が、幕府の侍には強奪や暴行が容認され、阿片の使用まで推奨されていた…」
「そう…私はてっきりアナタのお父さんが西軍側だからだと思っていたわ」
「父は医学を学んでいた。西軍の…後詰めだとは思うが、親類からの勧誘を受け、父は人々のために衛生面で戦うことを選んだ。開戦その日に戦死したがな…」
「お母さんは?」
「妊娠中の母は辛うじて逃げおおせたが、治安は悪化して故郷を離れた」
「ご家族は?」
「徹底的に佐和山城がやられたからね…みんなバラバラだよ」
「そんな」想像もつかない痛みと苦しみを味わう大事なときに頼る人がいないなんて。「お母さんはどうやって切り抜けたの?」
「母は働いた」ユウキは正面に向き直り話を続けた。「掃除に料理、洗濯にアイロンがけ。僕を育てる為、必死に闘ったよ」
「アナタをとても誇りに思っていらしたんでしょうね」

ユウキは鋭いまなざしを向けた。それから彼は湯飲みを口元に運び、残っていたお茶を飲み干して立ち上がった。「そろそろ行こう」
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