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僕の伴侶は蜷局を巻く
第7章 7
「生まれて初めて海に来た子供みたいだな」
「まさにそんな気分なの」ミハルは認め、自分も笑みを返した。「海辺は寒いかと思ったけど最高だわ」

はぐれ波が岸に押し寄せ、こんどは一気に二人を狙った。
「おっとッ!」叫ぶと同時に、ユウキはミハルの腕をつかんで砂浜へ引っ張った。けれど間に合わなかった。彼女の髪はわずかに濡れる。

二人は水の届かないところまで逃れ、被害のほどを確かめた。「ふふふ、水も滴るイイ女だな」
「水が滴らなくても女なのは間違いないけど…」彼の腕につかまれながら、ミハルは笑いと笑いの間に訴えた。「なんで濡れたくない部分が濡れるのかしら? パレオの意味がないし」

ミハルを見上げ、ユウキも笑い出した。笑い続けるうちに、何かが変わった。突然、ミハルは両手でつかんだ彼のたくましい腕が気になった。それに、ごくわずかに触れた胸も、。もっと触れたい。もっと触れて……。熱が波になって彼から押し寄せてくる。磁石のように彼女を吸い寄せ、二人の間に残っていたわずかな空気を締め出した。

彼はキスをするつもりなんだわ。

そして抵抗せず私は、自然と受け入れる。

単なるキスよ。夫婦がするキス。どうってことない…。

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