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僕の伴侶は蜷局を巻く
第9章 9
二人の話しが終わると、数分で金網に囲まれた団地の並ぶ敷地に入った。なんとなくだが、関係者以外は入れないような雰囲気がある。
「最初に家に寄るんじゃなかったの?」
「この団地が官舎だよ」ユウキは駐車場に車を止めた。「パラディンは土の上で待機させてくれよ」彼は敷地内の手入れがされていない草だらけの林を指さした。

ミハルを部屋に案内する為、助手席にまわりドアを開けるが、狭い空間で腕を組み、口をとがらせ、蜷局を巻いていた。
「…人類の伝統では、ここで君を抱きかかえて、中に入ることになっているんじゃなかったかな」
「あら、驚きだわ」ミハルは視線をあさっての方向に向けたまま、辛辣に言い返した。「原始人にも伝統があったのね。雌を殴って洞窟へ連れ込んで襲うだけだと思ってたわ」

ユウキは彼女の手を取り、車から連れ出した。彼の不機嫌なオーラに気づいたミハルは怒らせて危険な状況を招いては、元も子もない。もう少し口を慎まなければ…。
「ここがキッチンと居間だ」ユウキは腕を広げて指し示すが一目で周囲の環境はわかるほど質素な部屋だった。「寝室は奥だが、まだ、ベッドはない」

ミハルは何とか関心を示そうと努力したが、意識に留まったのは、今朝の別荘とはあまりに広さが違う。「個人的には大洗(別荘)のほうがいいかも」ミハルは若干の皮肉をこめてコメントした。「海が見えないからね。すぐにキキが来るから荷物をまとめてくつろいでいるといい。僕は用事をすませてくる」

玄関へ戻りかけた彼に、今回は反応が返ってきた。「出かけるの? 私をここに残して? 私は何をすればいいのよ」

ユウキは肩をすくめた。「妻の仕事は多々ある。合流したキキと馬車で食料の買い出しに行くとか、彼女(キキ)を別荘(離れ)に送ってあげつつも道を覚えるとか、たーくさんあるじゃないか」彼は玄関わきのテーブルから、先ほど置いた鍵を取り上げた。「遅くなる。夕食はキキと行っておいで」
「この調子じゃ冷蔵庫もガラガラでしょ。キキとここで作って食べるわ」
「君がここで料理を作るというのか?」異議のような驚いてる口調だ。

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