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僕の伴侶は蜷局を巻く
第9章 9
ユウキは眉の一方を、天まで届きそうなほど高く上げた。「それほどキッチンに興味があったとは」
ミハルも負けじと眉を上げた。「アナタの場合は楽だわ。朝はコーヒーのみだし」
ユウキはミハルを見つめた。「出かけるのはいい考えだ。でも…」
「わかってるわ。武家の私と共産のキキが一緒にいたらよく思わない人もいるしね」
「そうだ。僕が戻る頃には笑顔のひとつでも見せてくれよ」
ミハルはため息をつき、床に視線を落とした。しつこく不平を唱えすぎてしかられた子供の気分だ。
「疲れてるのよ。頭痛もするし…」常に気を張っている。あの夜から頭痛がするようにもなったし。
「もしかして、生理が近いのか?早いとこ妊視して母上を喜ばせるんだな。いや、訂正、いや、違う…僕の期待に応えてくれ」
ミハルは彼を睨みつけた。「もしかしてアナタを生理的に受けつけないのかもね」
ユウキは、むっとしつつも腕時計を見た。「行ってくる。軍人の妻なら、送り出すときは演技でもいいから笑顔で送り出せよ。そのまま会えな…」「わかってるわよ!」
ユウキの動きがピタリと止まった。彼はドアに手をかけたまま、肩越しに振り返った。「バカなことはするなよ」
「〝バカなこと〟って?」ミハルは胸の前で腕を組んだ。
ミハルも負けじと眉を上げた。「アナタの場合は楽だわ。朝はコーヒーのみだし」
ユウキはミハルを見つめた。「出かけるのはいい考えだ。でも…」
「わかってるわ。武家の私と共産のキキが一緒にいたらよく思わない人もいるしね」
「そうだ。僕が戻る頃には笑顔のひとつでも見せてくれよ」
ミハルはため息をつき、床に視線を落とした。しつこく不平を唱えすぎてしかられた子供の気分だ。
「疲れてるのよ。頭痛もするし…」常に気を張っている。あの夜から頭痛がするようにもなったし。
「もしかして、生理が近いのか?早いとこ妊視して母上を喜ばせるんだな。いや、訂正、いや、違う…僕の期待に応えてくれ」
ミハルは彼を睨みつけた。「もしかしてアナタを生理的に受けつけないのかもね」
ユウキは、むっとしつつも腕時計を見た。「行ってくる。軍人の妻なら、送り出すときは演技でもいいから笑顔で送り出せよ。そのまま会えな…」「わかってるわよ!」
ユウキの動きがピタリと止まった。彼はドアに手をかけたまま、肩越しに振り返った。「バカなことはするなよ」
「〝バカなこと〟って?」ミハルは胸の前で腕を組んだ。