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第2章 鏡の力

あの鏡は、
私が懐に厳重に保管している、
二度とこいつに触らせるもんか。

「お寺って、遠いのか？」

まだ、出発したばかり、
うちのお寺はあと二時間はかかる。

「いいから走れ、ボケぇ」

「だから、なんで怒ってんだよ。 なあ、どっかで朝飯でも食わね」

そのうちに車は、
この鏡を借りたマスターの店の
近くに来た。

「あっ、ちょっと。 停めて。 停めろっ、ボケナス！」