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half. ~Sweet blood~
第11章 主か、家族か…
「俺は簡単には死ねないからな、昂に血やったら…たぶんそこそこ長生きしちゃうぞ?雪斗が年とって、死んで行くのを見るんだ。そん時は後悔しねー?雪斗親友とかって奴なんだよな?」
「そ…れでも…ルシアを一人にはできねーよ」
「慣れてるからな、対して辛くないけど」
頭を掻きながら若干困った顔をする。さらさらと動く髪が夕日にかかり光って見えた…
「じゃぁ一人が…辛いって…嫌だって…思ったらその時は…」
「そうだな、その時は有無を言わさずお前に血送りこんでやるよ…で、純人間より長生きしてくれ」
「っ…分かっ…た」
「雪斗、お前の言ってる事は正論だからな。間違ってねーよ。俺は昂の家、ここにいる事にしたからもう俺を気にすんなよ…拾ってもらった事は感謝してる」
「ごめ…ん…な、中途半端で」
「今更だろ」
立ったまま誰も動こうとしない。時間だけが過ぎていき、次第に陽は落ちていく。時計の針が動く音だけが静かに響く…
「昂、帰るわ」
「うん、じゃ…また」
帰り際ルシアが雪斗に掛けより、腕を掴んだ。
「お前になんかあった時、言えよ。役に立つなら俺を使え」
「ルシア…?」
「雪斗…お前の事嫌いじゃねー」
「ん、さんきゅーな」
頭をクシャクシャとされ、雪斗の暖かな手は離れた。ドアが閉まる音、なぜかそれが切ないと思ったのは…きっとこれから先言う事はないだろう。