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half. ~Sweet blood~
第11章 主か、家族か…
月日は流れ、未だ変わらず昂の家に居る。俺は年取らない、見た目はまだまだ幼い…けど、これから先もこのままなら昂は着実に年をとっていくんだ…
求めたら血をくれる。
求めたら温もりをくれる。
言われすぎて慣れてしまった言葉。
沢山の好き。
それは言葉だけじゃない。
身体の関係がなくたって変わらない。
昂は側にいてくれる。
離さないし捨てない。
なんだろうなこういうの。
暖かいんだよな。
俺昂がいなくなったら。
どうなるんだろ。
考えた事もなかった。
これに慣れすぎて。
一人になるのが怖いなんて。
思う事事態間違いだ。
俺はhalfだ。
同じようには生きられない。
でも…
いつか…
昂が言った言葉が。
まだ有効なら。
家族になりたい。
一緒にいる事に慣れた俺は。
一人での生き方なんて。
分かる訳がない。
こんな暖かい気持ち。
知ってしまったんだから。
一人に戻った時。
永遠に眠る事を選ぶだろう。
「昂、俺さ…」
「んー?どした」
いつもと変わらない昂の柔らかな雰囲気。笑った時の香りは俺を包みこむ。
昂の髪は綺麗な茶色、瞳も髪同様。偽りなんかなく、妹の影を追う訳でもない。正真正銘《昂》そのもの。自分自身と葛藤し、母親と向き合った。俺の知らない所で泣いてた事も、悩んでた事も知っているから…その苦しみがあったからこそ、今その笑顔は本物なんだよな。
「昂がいなくなったらやだなって」
「いなくなんねーよ」
「でも年とってくんだよな」
「ね、ルシア…今更だね。やっと…」
「お前が望むならいつだって」
「待ちくたびれるとこだったし」