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half. ~Sweet blood~
第13章 遭遇、死んだ目…
数週間と経ち、そんなhalfの事はすっかり忘れていた頃、アパートの前にいたんだ。赤いワンピースを着て男に手を繋がれたあのhalfが…
「君もhalfですよね?」
男は怪しい者じゃないと、昂に名刺をさしだした。そこにはyadaーcompany代表取締と書かれている…
「矢田です、こっちはhalfのカンナ…君たちに折り入って話があります。手を出したりする訳じゃありません…話だけでも聞いてもらえませんか」
「いきなり来て何だてめー」
「ちょ、ルシア…」
矢田は穏やかな口調でルシアをなだめた。
「いきなりきてしまって申し訳ありません。ルシア君って言うんですね。別にひやかしとかじゃないんです…本当に、まずは話をと」
「ここじゃあれですから、店でも入りましょうか…」
あまり乗り気ではない昂の言葉。
心の中では、話を聞いてすぐ帰ればいい…なんて安易に考えていたんだ。すぐ帰ればいいと…