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half. ~Sweet blood~
第13章 遭遇、死んだ目…
ジャズが流れる店内。
クリームソーダのアイスをグシャグシャと中に溶かし、白く濁った状態にして…ガリガリと氷ごと口に入れ汗ばんだ体を冷やした。
矢田が本題に入る前にカンナの事を話し出す。それは俺が気になっていたいた事。
「カンナは…女の子に見えますか?」
「そ…ですね。女の子」
「カンナは私の着せ替え人形なんです」
出会いは遊人会。
そうカンナもルシアと共に売られていた一人だ。ただ他人に興味のなかったルシアは、カンナを見てもパッとしなかった…
遊人会でカンナを買った矢田は、最初こそは性的暴力など考えていたらしいが、あまりの容姿にもっと楽しむ方法がないか考えた。
「こんな綺麗な容姿…傷物にしたら勿体ないでしょ?せっかくの価値が無くなってしまいますからね」
そこで考えたのが着せ替え人形。
綺麗な服を着せ、一言も喋らずにただ座らせる。そうしたかった理由…
「男の子がお人形遊びなんて小さい頃させてもらわなかったでしょ。私はね小さい頃から姉たちが持っていた着せ替え人形で遊びたくて遊びたくて…」
大人になって、できるようになった趣味。
「因みにカンナは…男の子です」
「やっぱりな…女なんか売られてねーのに可笑しいと思ったんだよな」
「同じhalfだからやはり分かりましたか」
「まーな」
カンナの長く伸びた髪を触りながら、愛おしそうな瞳で矢田は眺める…
可笑しいな。一見愛されてる風に見えるのに、何でアイツの目あんなに死んでんだよ。幸せ…じゃないのか?