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half. ~Sweet blood~
第13章 遭遇、死んだ目…
部屋自体は薄暗く、淡い照明がいくつかある程度だった。会場には人は入っているが光は落ちたままだった…その為会場にどんな人が居るかは良く見えないでいる。
突如会場の中心がライトアップされる。それに伴いどのような人が居るのかが見えた…
いかにも金持ちそうな奴ら…
男だけじゃない、女もいた。
綺麗にドレスを着こなし上品そうにワイングラスを口に運ぶ。下品な笑い方をしながら、他の来場者と会話をする者もいた。
「ババァかジジィばっかだな」
アナウンスがパーティーの始まりをしらせる。
「ただいまより、矢田様主催のパーティーが始まります。皆様会場中心にご注目ください」
ゆっくりと足を進めスポットライトを浴びる。その横にはカンナがいた。先ほど見た赤いワンピースではなく、白いフワフワとしたドレスを着て…
「皆様お待たせしました。今日はゆっくりとお楽しみください。今回皆様に見ていただくのはカンナと言いまして、女装をした男です。皆様に見ていただく為に今日まで美を追求してきました…女として扱うもよし。男として扱うもよし。皆様が楽しんでいただければ好きに扱っていただいて結構です。では、パーティーを始めましょう」
矢田の挨拶が終われば、待ってましたと言わんばかりに客が中心に寄り集まっていく。カンナはただ立ち尽くし、事が始まるのを黙って待っていた…
「表情一つ変わらないんだな」
「本当だ」
その様子をガラス越しに眺めた。