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half. ~Sweet blood~
第14章 縛られる体と、心…
行き交う車、その中からタクシーを拾おうと手を上げる。空車の文字は点灯していない…通り過ぎて行くタクシー。
「昂、手あげりゃ車って止まんのかよ」
「タクシーはな」
「ふーん、親切な国だな」
「でも金はかかんだよ」
「金あんの?」
「親切にチケット置いてあったから大丈夫だよ。それより肝心なタクシーが捕まんねー」
「紙切れが金の変わりかよ、日本人は親切だな」
「あーゆーゲスな事してても親切って言われんだな。ルシアも手上げて捕まえてくれよ
「俺チビだから目立たねーよ」
地べたに座り込み昂の背中を見つめる。
昂は興味ないなんて言ってたけど、俺はそうでもない。見てたら面白かったんだけどな…俺もゲスってやつになるのか?
「俺がさ…あーして欲しいって言ったら、お前はやってくれんの?」
「は?他の奴にやられてーのかよ」
「そっちじゃねーし、縛ったりだよ」
「ルシアはされたいの?」
「分かんねー」
涼しい風が二人の間に流れる。
上げていた手は降ろされゆっくりとルシアに近寄る。怒っているのかと顔を覗き込むルシア…
「君たちさ…」
昂がルシアに寄るより早く、ハスキーな少し掠れた声が聞こえた。振り向けば街灯にあたりキラキラ光るシルバーのピアス。
「あーさっきの人」
「やっぱり会場にいた人達だ」
「俺たち見えた?」
「いいや、裏から出てき所みたから…もしかした今日の客かと思ってね。にしても10代でしょ?よく参加できたね」
「俺たち矢田に直接誘われたんだよね」
「あぁ、VIP様か。成る程ね…君たちもご主人様とペットの関係かな?」
悪びれる様子もなくニコニコと話す。
座り込むルシアに近寄りマジマジと眺める。綺麗な顔立ちが近寄り一瞬顔を背けた…