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half. ~Sweet blood~
第14章 縛られる体と、心…
黙って二人の会話を聞いていた昂だったが、《ペット》という言葉に反応した。ムッとした表情でルシアの手を引き立たせる…
「こいつペットじゃないから」
「あ、ごめんね?怒った?」
「怒ったんじゃない…ただその場に居たからって、俺たちの関係に口出すな」
「昂…それ怒ってるって言うんだぜ」
「うん、本当にごめんね。関わる人間がそーゆーのばっかりだからさ、勝手な先入観だった。じゃぁ君たちはカップルかな?」
「昂ー俺たちって何?」
「あれ?君達ってカップルでもないの」
少し困った表情。
それもそのはず、付き合うなんて話はしたことがなかったから。ただ…家族になろうと言っただけ…
「愛してるんだよな?」
「ルシア…?」
「俺愛されてんだよ、それ以上でも以下でもない。関係なんて必要ないんだよ」
「ルシア君、賢いね。それに…素質あるよ」
含み笑いをし、サラサラと揺れる髪に触れる。笑った顔はやはり美人だった…
「ルシアに触んな」
「ごめんごめん、可愛い子だとつい…ね」
昂は握る手に力を入れた。
どう見たって独占欲の塊で、NAOに対して敵意剥き出しだった。
「君も結構いけると思うけどな」
「さっきから何なんだよ。素質とかいけるとか」
「え?何って縛るの」
何でもないような顔して、とんでもない事を口にする。美人の顔からは想像もつかないくらいはっきりと…
そっか…
こいつ縄師とかって呼ばれてたな。
ふと会場で縛られたカンナを思い出す。
思い出しただけで、また気持ちが蘇る。俺も縛られてみたい…と。