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half. ~Sweet blood~
第5章 勉強と、勉強…
ある日の事、雪斗はリビングで寝る俺に無謀な事を言い出しやがった。
「ルシアお前もー少し日本語覚えろよ」
「十分だろ」
「いちいち説明すんの面倒なんだよ」
怠そうな視線を向けるも、雪斗は退かない。正直ヤンキーのアニメみただけじゃ不十分な事は俺だって分かってるけど、面倒臭っ。
「何して覚えんだよ」
雪斗は無言で分厚い本をだしやがった。
「読め」
「俺話せるけど字読めねーからな」
「はぁ?まじかよ、面倒臭やつだな」
「残念だな、じゃ勉強はなしだ」
勝ち誇った表情で雪斗を見れば、悔しそうな表情で見返してくる。
「じゃぁ字も覚えろ」
「ふざけんなよ、嫌に決まってんだろ」
「俺が死んだらどーすんだ、生きていく上ではな字位かけなきゃだめだろ」
雪斗が、死ぬ…?
そうかいつかは雪斗も死ぬんだ。ヨボヨボのジジィになったら血なんか吸えねーしな。新しい主を探さなきゃいけなくなる。
「おい、聞いてんのかよ」
「あぁ、そうだな」
俺は雪斗が死んだ後の事を考えて仕方なく勉強する事を決めた。
雪斗は、純人間なんだもんな。
簡単に死んじまう。