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half. ~Sweet blood~
第8章 難航、その先に…
衣服を身に着けず、青白い肌には真っ赤な拘束具が目立つ。リードを引かれ砂浜に裸足で降ろされれば、眩しそうに目を細めた。
「達希、こいつらは君の友人かな?」
「いえ、違います。ご主人様…」
二人を一瞥すると白瀬に告げる。
一瞬目が合ったその瞳は生きていなかった…
雪斗どうすんのかな。こんな姿見たんじゃさすがに諦めるよな。まぁ、数年は無駄になるかも知れねーけど、分かって良かったんじゃねーの。
車にもたれかかり腕を組み遠目に観察するルシア。
「達希…俺だって、昂だ…それにユキもいる」
「どうなんだ、達希?友達なのか?」
ままたしても《友達》という言葉を強調し
「友達なんかじゃありません。昔の知り合い程度の人です」
「君に会いに来たみたいだが、どうする?帰ってもらうかな」
「はい、ご主人様…」
「という事なんでお引き取り願いますかな」
白瀬にリードを引かれ、家へと足を運ぶ。その背中には無数の痣があった。赤く腫れ上がった最近の痕に…紫に変色し痛々しく残る古痕…
「っ…待てよ…達希、今のままで幸せなのかよっ…っ…」
振り返る事すらせず連れていかれる。白瀬は俺たちに見せつけるように、達希を抱き寄せ下半身に手を伸ばした…
そして達希の耳元で囁く。
「君が幸せだと教えてあげなさい」と…
隠すように後ろ手にナイフが握らされ、ポンっと肩を叩いた。表情一つ変えない達希はリードを引きずりながら近寄ってくる…一歩、まだ一歩と…