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half. ~Sweet blood~
第1章 サヨナラと、出会い…
「お前名前は?」
「ルシア」
「ふーん、じゃぁルシア聞くけどよ、血吸わなきゃ生きて行けねーのか?」
「別に普通に飯食うし」
「じゃぁ今何が食いたい」
お前の血…こんなに香り漂わせてんだからな我慢するのが大変なんだよ。考えただけでキシキシと歯が軋む。
「何が食いてーんだ、腹減ってんだろ」
「お前の、血」
「雪斗だ」
「雪斗の、血」
雪斗は俺に近づくと上半身の服を脱いだ。無駄な脂肪が付いてない身体からはまたあの甘い香りがした。
「何処噛むんだよ」
「首か腕、血管太いとこ」
「好きなトコ噛めよ」
長身の雪斗の首元には背伸びをしたって届かない。腕を掴みマスクを外した俺はおもむろに口を近づける…
やばい、香りだけで頭おかしくなる。
立ちっぱなしの俺を
雪斗はソファに投げつけ首を指さし
「遠慮すんな、ここがいいんだろ」
並んでソファに座り肩に手を置いた。口を開いて歯を立てれば苦痛に歪む雪斗の顔が視界にはいる。
「っ…」
止まらない、もう無理だ。
俺は流れる血を吸い喉を鳴らした。
ゴク、ゴクン…
噛まれるんだ痛いに決まっている。身体に力が入り血管が浮きだしていた。相当心拍数上がっている、そのせいか吸うよりも早く口内に血が溢れてくる。
「うめーなお前の血」
「っ、ゆき…と…だって」
「あめーよ、すげー甘い」
1分もかからないうちに歯を離す。傷口を舌で舐めれば綺麗に塞がり跡が消えていく。
「ごちそーさん」
雪斗は首を触り驚いていた。