この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
half. ~Sweet blood~
第9章 生き方と、別れ…
ベットに横たわり首を締められたら。
あの暖かな手は、冷たく…震えていた。
「っ…かはっ、ぁ…」
「達希、笑っているのか?」
涙が浮かび、唾液が垂れる。
苦しいのに俺は笑っていた。
俺に跨がるご主人様は辛そうに手を緩める。離れた手は大きく振りかざされ、頬に衝撃を与えた。部屋に響く肌を叩く音…
「っぁ…っ…くふ…」
「痛くない?」
心配そうな表情とは逆に手は口と鼻を被い、苦しげに呼吸する事を制止した。
「んっ、んー…」
ご主人様は問う…
「どうされたいか言ってみなさい」
手を離され大きく息を吸い込み
震える声で懇願した。
「ハァ、ぁ…ご主人様の手で汚い俺を躾、傷つけてください」
「達希、君は本当に素直でいい子だ。そしてこんなにも淫乱だったなんて」
「ご…めん…なさい」
「いや、本当の君が知れて嬉しいよ」
辛そうに笑った顔は忘れない。
俺を救ってくれたんだ。
こんなにも墜ちた俺を愛してくれている。
普段は優しいお父さんが
夜になれば冷酷なご主人様に変わる。
俺は二つの幸せを白瀬さんに
与えられたんだ…
ここが俺が俺でいられる
本当の居場所だ。