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half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…
ピンポン…
昂が来た事を知らせるようにチャイムが鳴る。疲れた身体を持ち上げ、クタクタになった足を前に進めた。
「あれルーは?」
リビングを見渡し不思議そうに訪ねる
「寝てる」
「えー夜型なのに珍しい」
「疲れてんだよ」
「起こしてこよー」
「てめ、人の話聞いてたか…」
寝室のドアを勢いよく開け、ベットにダイブするように乗りかかる。スプリングが鳴りギシギシさ軋んだ…布団に潜りこみ、ルシアに抱きつく。
んー、あ…昂の香りだ。
一段と甘い香りさせやがって
すっきりしたのか。
「ルーおはよ、ゲームするか」
「その前にもう一つの約束があるだろ」
キョトンとした表情を作る昂の顔を両手で包み、焦る昂を無視しゆっくりと顔を近づける。
「っ、ちょっ…待てって…んっ、いっ…て」
言葉を遮るように重なる唇、いや…食い込む歯。下唇に痛みが走り、神経が集中する。痛いだけじゃない…ザラザラとした舌の感触が混じり変な感じだ。
滲みでる血を美味しそうに喉に流す。
ゴクッ、ンッ…ゴキュ…
チュパ…ペロ…
「うっ、あ…る、しあ…んっ」
「甘いな…ハァ…」
いい気分はしねーな。
誰でもいいのかてめーは。
壁にもたれ、その様子を見つめ
喉まで出た言葉をグッと飲み込んだ。
「ごっそーさん」
「ハァ…あ、ユキ…違うんだ」
誤解を解くように手の甲て唇を拭い、雪斗に視線をやるが、その顔は穏やかではなかった。確実に怒っている…
「別にいい、ルシアはそーゆー奴だ」
あ…やば。ユキ怒ってる。まじでやばい。
どーしよ、本当やだな。
あーでも、俺…嫌じゃなかった。
湿った唇をなぞった。
暖かい舌が這う度に、ルシアの吐息が漏れる。誘うような眼差しを送られたんじゃ…変な気を起こしそうになる。
ユキがついがっつきたくなるのも、分かんなくねー。アレは反則…だよな。
二人の気持ちもつゆ知らず、脳天気に欠伸をするルシアは目に溜まった涙を拭い、ベットから降りた。
「ゲームする」
ルシア…空気読んで…
頼むからさ…