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half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…
「昂、今日は帰れ。俺眠いんだよ」
「あーうん、そうしよっかな」
気まずいどころじゃない。あの威圧的な目本当やだ…しかもルシア空気読む気まったくないみたいだし。あーね、若い子は「まじKY」とか言っちゃうのかな…帰ろ。
「ルシアも連れてけよ」
「はぁ?」
「だからルシアも連れてけ、で暫く昂の家で面倒みて 」
「いや、ちょっと待てって…」
有無をいわさず着替えを詰め込んだ袋を渡された。リビングに流れる空気は重く…沈黙が続いた…
「昂行くぞー」
のん気にゲーム機を抱え玄関に座り靴を履く。ユキの顔色を伺い訳でもなく、理由を聞く訳でもない。
「えっ、じゃ…ユキまた連絡する」
「頼んだ」
そんな顔するぐらいならさ
こんな事しなきゃいいだろ…
どっちがガキか分かんねーな。
よっぽどルシアの方が大人だな
車に乗り込み流れる街灯の光を横目で追う。時間が時間なだけに人は少なく、ポツポツと車がすれ違う程度。なのに飲み屋のネオンは忙しく光っている…飲み屋の近くに車を止め、裏路地を通り建物に入る。
「ごめんなー、表歩いたらルシア補導されちまうから」
軽く謝り手を引く…
「お前んちって飲み屋の真裏かよ」
「あぁ、俺うるさくないと寝られないからな」
少し寂しそうに笑う昂は部屋へと案内した。殺風景な部屋…モノトーンで統一された家具。昂のイメージとは逆だった。