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half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…
「なぁ…ここに写ってるのアイツだよな」
「うん、ユキと達希と俺…」
「まんま大きくなってんなお前等」
「かもな。見た目は変わんないけど、今じゃ生き方が全く違う」
「ふーん」
写真立てを手に取り俺の顔と交互に眺める。首を傾げたルシアは聞いた
「お前って、地毛茶色なのかよ」
「え…?あーうん、そうだけど」
「なのに黒なのか?」
「染めてるからね」
「茶色の方が似合ってるぜ」
ルシアって、何でこうも見透かしたように言うのかな。隠してても…分かってるって目で見られてるみたいで、ドキッてする。
達希の時もそうだった…
車から出ようとする俺を止めた。あんな事言ってしまったけど、内心ルシアが止めてくれなきゃ状況は変わっていたと思う。最悪の方向に…
「ルシアは大人だな、俺たちなんかよりも」
「まぁ、なりはこんなんでも年だからな」
青い瞳にかかる長めの睫毛…
女みたいな顔立ちに独特の雰囲気…
10代の少年には合わない色気…
「俺は…誤魔化して生きてる」
「あ?」
「独り言だから流してくれてていいから」