この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…


施設に入る前、俺は両親と妹の4人で小さなアパートに暮らしてたんだ。母さんは妹が大好きでいつも可愛がってた。妹は母さんそっくりでね…瞳も髪も綺麗な黒色だったんだ。



「ルシア見てて…」



「綺麗な茶色だな」



眼球に張り付いた黒いレンズ。
それを外せば写真の髪同様、綺麗な茶色。



妹が死んだんだ。交通事故だったんだけどね…まだ幼稚園だった俺は、なんの事だかさっぱり分かんなかった。でも皆泣いてたんだよね…妹の写真の前でさ。


父さんは、母さんを支える為に頑張ってたよ。家事しながら仕事もして、俺の面倒も良く見ててくれ。


母さんが俺に向かって言ったんだ。
「桜チャンおいで」って、どう見たって俺は妹に似てないんだから間違う意味が分かんないだろ?でも頻繁に妹の名前で呼ぶようになった。


どんなに父さんが違うって説得したって聞かないんだよ。そのうち俺の名前は呼ばれなくなって、しまいには居ない事になってたな…。




「ほら、俺どうみたって男だろ?」


「そーだな、まぁ綺麗ななりだけど」



三人で写る写真を眺めながら。消え入りそうな声で昂は呟いた…「なんでかな」って。





/139ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ