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half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…
「ねぇルシア、ユキんち帰らなくていいのか」
「さぁ、知らねー」
テレビに釘づけ状態でさ視線はそのままのルシア。時折首をポキポキと鳴らしながら…ゲームに夢中になる。
「雪斗が出てけって言うなら、しょーがなねーよ。いらなくなったんだろ?俺使えねーからな」
「そうじゃ無いと思うけど」
「どーでもいい、慣れてるから」
特に表情を変える訳ではなく
声色もそのままで、淡々と話す…
「じゃぁ、俺のとこに居たらいいよ」
「そーする」
真っ暗にした部屋の中、目を閉じ意識を手放した。アラームが忙しく鳴り響き目をさます。寝室にルシアはいない、リビングを覗けば点けっぱなしになっているテレビ画面。
いな…い…?
部屋を見渡し、トイレや風呂場にも足を運ぶ。それでもルシアはいなかった…
「ルシアー」
心配になりルシアの名を呼べば…
ベランダの窓が勢いよく開けられる。ビクっと身体を強ばらせ視線を向けると、フードを深く被ったルシアが部屋に戻ってくる。
「何?」
「朝日浴びて砂にならないんだ」
「なんねーよ」
「寝なかったの?」
「あー、うん。寝なくても平気だから」
「そっか」
昂の香りが前より甘くて、一緒になんか寝てらんねーよ。部屋に居るのだって身体が反応する。外が一番安全なんだよな…
雪斗に捨てられた。次昂に捨てられたら…まじ行くとこねーんだよ…少しは我慢してなきゃ捨てられる…