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half. ~Sweet blood~
第10章 偽りと、確かな気持ち…




「ただいまー、って…ルシア?」



部屋は暗く朝は点いていたテレビも今は消され、静まりかえっていた。冷えた室内にはカーテンだけが揺れ動き、そこにルシアが居る事をしらせている…



「ルシアー」



少しだけ開いた窓に手をかけ、ゆっくりと開けば床に座り込み朝同様にフードを深く被ったルシアがいた。



「おかえり」



「どーした?ベランダなんかにいて」



「部屋の香りに落ち着かねーから、気紛らわしてた」



「部屋も甘い匂いすんの?」



「これでもかってくらいな」



「んーそれってどーしよーもないし」



「別にいいよ、慣れるまでだし」



「我慢…してんの?」



「どっちの意味だよ」



「あー、血か匂いって事?」



「あぁ」



「血…欲しくなんの?」



「そりゃーな、最近飲む事が普通みたいになってたからな。身体が我慢すんの忘れてる」



親指を唇に押し当て、少し飛び出た歯をなぞりながら話す。陽が暮れた街には賑やかなネオンが点きだし、店に足を運ぶサラリーマン達がベランダから見えた。金の髪はオレンジに光り、ルシアは沈んでゆく陽をジッと眺める。




「ルシア、冷えるから中入れよ」



「ん、あ…あぁ」




羽織っていたパーカーを脱ぎ無造作に床に落とす。ソファに座り点いてもいないテレビを無表情に見つめた…




「ルシア…血やろうか」



「くれんの?」



「腹減ってんだろ」




冷蔵庫は開けられた気配がない。コップの1つも使ってないところを見れば、今日は何も口にしていいはず。




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