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好きと言って
第2章 ふちは瀬になる
ハルト先輩はなかなか私に会う時間がないぐらい忙しくなって
メールは毎日来るし電話もするけど
ハルト先輩の声が疲れてて。私は長電話なんかできないよ。
メールは本当に事務連絡になってきて。
挨拶文だけが多くなっていった。

ハルト先輩に言われるからかそんな私をたまにレン先輩がお昼に誘ってくれて
学食で食べたりしている。

「レン先輩は暇そうでいいですね」
「おまっっ!お前、それは失礼だろ」
「スミマセン。心がすさんでまして」
「自分で言うなよ・・・ほら。俺のシナチクやるから」

レン先輩は自分のラーメンの中のシナチクを
私のラーメンの中に入れた。

「いりませんよ!」
「可愛くない奴だな~。人がせっかく元気づけてやろうとしてるのに!」
「シナチクで元気が出たら安いもんですね」
「梨乃はつくづく失礼な奴だな」

そんな私たちのやり取りを聞いて
小さな笑い声が後ろで聞こえた。

「梨乃」

大好きなハルト先輩の声だ!

ハルト先輩はリクルートスーツを着て
学食のお盆を持っていた。
うわ・・・
かっこよさ三倍なんですけど!!

お昼一緒に食べられるのかな!
「ハルト先輩!」
ガタっと椅子から飛ぶように立って
ハルト先輩に抱きつこうと思った瞬間

「春人」

と綺麗な声が聞こえた。


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