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おこごと
第4章 鬱刈色
「恋人って事はないですか?」

「う~ん、私には良くわかりませんがね…。彼女は、決して嬉しそうではありませんでした。」

はぁ~と溜め息を吐きながら、近藤先生は「母親は何をしているんでしょうな。」とぼやく。

「これがその生徒です。ちょっと気にかけてやって下さい。」

では、失礼。と近藤先生は、隼人に紙を渡すと席を立つ。
紙には生徒の名前とクラスが書かれていた。

三年二組
新海 杏里

アンリ……
隼人の心臓がドクリ、と大きく震えた。
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