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おこごと
第5章 蜂蜜色

夕方になっても、湿気が肌にまとわりつく。
紙に重ねていく色も思ったように上手く乾かない。
(もう片付けよう。)
他の美術部員は、もうとっくに帰っている。
筆を洗おうと立ちあがった私に、
「今日はもう終わり?」
と、いつもの声が言う。
「今日も熱心だね。
少し話さない?」
2週間前から、毎日、決まった時間に、この男、住谷隼人は来るようになった。
ニコっと笑った顔は、確かに他の女子生徒達が言うように、魅力的だ。
「用事があるんで。もう帰ります。」
この人といると、息苦しくなる。
絵の具をしまおうと、椅子に座った私の向かいに先生は座る。
私の顔を覗きこむ、整った顔が歪む。
「用事?……男?」
(やめて。)
紙に重ねていく色も思ったように上手く乾かない。
(もう片付けよう。)
他の美術部員は、もうとっくに帰っている。
筆を洗おうと立ちあがった私に、
「今日はもう終わり?」
と、いつもの声が言う。
「今日も熱心だね。
少し話さない?」
2週間前から、毎日、決まった時間に、この男、住谷隼人は来るようになった。
ニコっと笑った顔は、確かに他の女子生徒達が言うように、魅力的だ。
「用事があるんで。もう帰ります。」
この人といると、息苦しくなる。
絵の具をしまおうと、椅子に座った私の向かいに先生は座る。
私の顔を覗きこむ、整った顔が歪む。
「用事?……男?」
(やめて。)

