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可愛いヒモの育て方。
第6章 いざ、温泉旅行へ!
「ごめんごめん。休みだけど、今日旅行の日だから」
「ああ、今日だったの」
綾乃は電話越し、軽く笑った。
「うん、今日だったの。何か用だった?」
「あー……ううん、たいした用じゃないよ」
「そうなの?」
用もないのに、電話なんて珍しい。だいたい何かの誘いか、用件が無ければ、綾乃から電話が来ることはめったになかった。
「そういえば、あたしがあげたアレだけど、ちゃんと使い方は守ってね。麻人くんの大事なところを傷つけちゃうと大変だし」
「あーはいはい。例のアレね。わかってるって」
私は軽い調子でそう返事をした。
結局麻人の性癖は、煙(けむ)に巻かれたような感じで決定的なのが聞けなかったし、綾乃からは、無難なオモチャを一つだけ、貰っておいたのだ。
麻人に内緒でバッグに入れてきたから、夜が楽しみだ。
「じゃあ、またね」
「用ってそれだけ?」
なんだか取ってつけたような用件なので尋ねると、少し間を空けて綾乃は言う。
「違うけど、たいしたことじゃないし、あとでいいわ。道中気をつけて楽しんできて」
「はーい」