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可愛いヒモの育て方。
第4章 ○○のオモチャ屋さん

 指摘してくる場所がいちいち的確なのもあって、私は二の句が継げなくなる。
 逃げるように話題を変えた。

「まあ、いいや。麻人と今度温泉行くんだよ。せっかくだし、いつもと違うエッチしたいじゃん? ねえ、何かオモチャ譲ってー」

 彩乃が勤める特殊なお店というのは、実はアダルトショップだった。彼女の親戚が経営しているお店らしく、彩乃もそこで雇ってもらっているのだという。親戚の家に住まわせてもらいながら、通っているらしい。
 麻人をヒモにした時に使った媚薬もカメラも、彩乃に貰ったものだった。小説の資料にするという口実で、他にも安く、もしくはただで譲ってもらったものが幾つかある。
 しかも、ただのアダルトショップではない。販売しているオモチャやコスプレ、下着などなど、その八割が男性用という、いわゆるゲイの人向けのお店らしい。どうしてその店の経営を始めたのかはわからないけど、そこで働いてるのもあって、そっち方面に関しては、彩乃の方が遥かに博識だった。
 その彩乃がどうして『性の楽しさ』に目覚めないのか、私は不思議で仕方ない。
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