この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
かわいい狼くん
第11章 闇の中
『九条…くん…?』
ゆっくり近付いてくる春樹から
心はまたゆっくりと後退り
トンッと壁に背をつく…
「俺…言ったよね?
誰にも渡さないって」
『え…なんのこと…?』
でも、どこかで言われたような…?
…っ!
『あ、あの手紙…っ!』
「ふふ…思い出した?」
心は目を見開き固まる
まさか…そんなっ…
「まさか九条くんが…って顔してるね?」
『っ…!』
「俺はずっと見てきたよ?
早く触れたくて仕方なかった…」
そう言いながら
心の頬に触れる春樹
ビクッ!
『や、やだ…やめて…九条くん』
「嫌だ…って言ったら?」
『お、大きな声だすから…!』
すると春樹は突然笑い出す
『くく…はぁ、誰も来ないよ?」
『そんなこと…!』
「なんの為にここまで連れてきたと思ってんの?」
連れてきたって…どういう…こと?
私は無くした携帯を探して…
『まさかっ…携帯も、九条くんが…?』
「そ。一緒に探すフリしてたら
疑われずに連れてこれるしね…
それに…
こんな所誰も来ないよ」
っ…そんな…
「ゆっくり君を味わえるね…」
『いやぁっ…!』