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かわいい狼くん
第13章 悲しみの欲
「…なんだ、嬉しくないのか?」
強がって聞きたくないことを
わざわざ聞いてしまう
『う…ん』
瑠璃は下を向いたまま頷く
「なんで?」
『私…好きな人居るもん…』
あぁ…やっぱり聞きたくなかった…
きっと相手が瑠璃の気持ちを知れば
瑠璃は…
他の奴に渡すくらいなら
今すぐに自分のものにしたい…
春樹は自分の気持ちを振り切るかのように
パタンッと強めに本を閉じた
「そうか…うまくいくといいな」
そう言い残し
自分の部屋へと戻った…