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かわいい狼くん
第7章 焦る気持ち


ショッピングセンターで愛菜と別れ、
家に帰った彰斗


玄関を開けると
心と沙羅の楽しそうな声が聞こえた


「ただいま~!」


『彰斗くん!おかえりなさい』


目の前で優しく微笑む心を
今すぐ抱きしめたくなる


しかし沙羅が居るため
彰斗は自分を落ち着かせる…




すると、チャイムが鳴った


『誰だろー?はぁ~い』


しばらくして心が戻ってきた
そこには柊が一緒に居た



「あれ?柊来たんだ?」


「あぁ、服忘れちまって…」



彰斗と目が合うと、
柊は口角を上げた…



…?なんだ、今…



すると柊が口を開く


「なんだ弟、デートは終わりか?」


「っ…?!」


『え…?今なんて…』


「あれ、知らなかったのか?
弟がデートしてたって」



心は何も言わずに
彰斗の事を見上げた…



うそ…
彰斗はそんなことしないもんっ…


『彰斗…くん?…』


「ごめんっ…確かに、女の子と居た…」



心はショックが隠せず目を見開き固まる



「でもっ…デートじゃっ…」


彰斗が言いかけると
心は走って部屋へと行ってしまった


彰斗はすぐに追いかけて行った






リビングに残った2人…



「柊っ…あんたねぇ!
彰斗くんにだって理由があったかも
しれないじゃない!
それにあの2人はっ…」



「知ってる…」



「え…」



「俺かっこわりぃな…心の事諦めらんねーよ…」




天井を見上げ、握りしめた拳を
額にのせ切なく笑う柊…



「柊……帰ろっか…」


そして2人は帰って行った


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