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籠の中の少女
第4章 佐伯と少女と松岡と小夜香

    ※  ※  ※

 佐伯と小夜香が去った部屋の中で、松岡はレミの顔のそばにしゃがんでいた。

   かごめかごめ――

 尿まみれになっているレミの顔の目隠しだけをずらしてやると、レミの目は快感以外の何物の光もない――純粋に一点の曇りもなく恍惚のみで満たされていた。

   かごのなかのとりは――

 「良かったな、新しい家族ができたぞ」

   いついつでやる――

 レミはかすかに松岡を見ると、少しだけ目の光を濁らせた。
 「ん? あいつらはいつもの部屋にいる。もうどこにも行かねえだろうな」

   よあけのばんに――

 レミはまだ松岡を見ている。

   つるとかめがすべった――

 「心配するな。あいつらはもうこのアパートの『籠』からは逃れられねぇよ」

   うしろのしょうめんだあれ?――

 松岡のその言葉を聞くと、レミは満足そうな表情を浮かべ、安心したかのように目をつむって寝息を立て始めた。


<終>
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