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主な君に逆らえない
第4章 title 濡れた女
期待と戸惑いを持っている指のやり場に困ってしまいます

「咲・・言え」

命令口調な言葉さえわたくしの耳には甘美に響いています


咲・・

私のなが特別な名のように聞こえてしまいます


「は・・び・・びっしょりと・・恥ずかしいくらいに潤んだ・・入口が・・あり・・ます」

彼の口角が上に持ち上がり、キラリと鋭い眼差しで

更に私の熱を上げるように見ています


その瞳にぴくんと身体が反応してしまいました


「指入れて」


「はい・・・」


「はじめての感触は・・如何かな?・・お嬢様・・」

くくっと愉しげな含みを帯びた声と、わざと家柄を意識させるような言葉に

羞恥心がこみ上げます


快感の熱に侵されていた頭が冷えて、冷静さを失わせないので、今の状況に耐え難い

ちっぽけなプライドすら刺激されて、泣きそうです


私が泣きたくないのを知っているのに、わざと泣きたくなるような仕打ちを迫る透矢は

やっぱり意地悪な悪魔のようです


今はその気持ちだけでは片付けようのない

想いがあるのを私は自覚しています


「ふっ・・んっ・・何だか・・よく・・わかりません・・私にはただの空洞にしか・・」


「指を円を描くように回して」


ねっとりと熱く潤む秘壷は私の指を濡らしているだけで、何も感じません

透矢の指示に従い、指を肉壁に沿うように動かします
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