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主な君に逆らえない
第4章 title 濡れた女
講義が終わる前に、部屋から抜けました

まさかこんなに気に掛けて頂ける方が多いとは思いもしませんでした

庭園のハウスへ取り敢えず避難するために向かいました

後ろをついて来ていた人影に気づきませんでした


季節外れの花々が植えられたハウスで苺を見つけました

ちょっぴりお腹が空いていましたので、周りに人がいない事を確認して口へと運びました

まだ酸味の強い苺です

「天璃矢の名が聞いて呆れますわ!」

私あまりに驚いて、苺を詰まらせるかと思いました

「泥棒猫の様な下品な令嬢とはほーんとっがっかりですわぁ」

イマドキ珍しいツインテールを縦ロールにしたつり目の女生徒が腕くみして私を射抜くような目で見ていました

「ま、これはとんだ失礼な所を見られてしまいましたのね」

「お上品ぶってもタダのメス猫ね」

やけに突っかかる物言いに、訝しんでしまいます

「透矢様に恋人が出来たなんて聞いて、どんな方かと思いましたらこーんな恥知らずな野良猫だったなぁんて・・本当がっ・かりっ・ですわ!」

「透矢をご存知ですの?」

投げかけた疑問を後悔してしまうほど彼女の顔がみるみる怒りに燃えています

「ご存知か?・・ですって??」

たじろぐ私に詰め寄る彼女

「この学園であのお方を知らないモノはおりませんわよ?」
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