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続・疼く…(2)主と麻以
第12章 戸惑い
主は、抜けられない会議、接待と、今日の帰りは遅くなるだろう、と、葵は言った。


自宅で静養していた真紀が駆け付けた。


『麻以さん…!お帰りなさい…心配で、心配で……ごめんなさいね、気づいてあげられなくて…』


『真紀さん、やめて!真紀さんは何も悪くないわ!お願いよ、やめて。』

葵が、麻以にコーヒー、真紀にはホットミルクをいれてくれた。


……………………………


二人とも、少し落ち着くと、真紀が言った。


『ねぇ、麻以さん。旦那様は、時として、猟奇的な行動をおこされるけど、いちいち覚えてる?』


麻以が主の下に戻ってからばかり…

そういえば、全て、予兆はあった気がする。


『麻以さん、旦那様は苦しんでおられます…』

葵は続けた。

『旦那様は、麻以さんを後添えに迎えたいと思うようになりました。しかし、その時から、旦那様の苦悩が始まったのです…おそらく、前の結婚時代に遡り、それが結婚を切り出せない要因なのではないかと…』


『要因…って?』


『旦那様が、お話にならない以上、私も言えません。私も、旦那様からはっきり聞いたことではなく、憶測ですので……』



主の苦悩に気付かない麻以だった。

常に、自分のことばかり考え、行動していた。

麻以は、主の何を見てきたのだろう…

自己嫌悪だった……



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