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~散花~
第8章  摩羅

その時――


「范貴人さま、失礼いたします」

扉の向こうから呂栢の声がした。

玲利は、「今日の禊も完璧よ」と玉蘭に合格を出すと、

「お入りなさい」

廊下に声をかけた。

玉蘭は内衣の裾を整えた。

慇懃に部屋へ入ってきた呂栢は、1尺ほどの桐箱を捧げ持っていた。

「范貴人さま。ようやく手に入りました」

そのとたん、玲利が文字通り椅子から飛び上がって喜んだ。


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