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~散花~
第12章 后妃の憂い
「皇后さま。お鎮まりあそばして」
「選女があのように屈辱的な仕打ちを受けるものだとは知らなかったの」
それはそうだろう。
宮家の嫡女として皇帝の正妃に迎えられた皇后に、選女のシステムなど無縁の話だ。
「知っていたら、あなたに選女を受けてほしいなど頼まなかったのに…」
芙蓉は九ヶ月前、第一期の選女を受けていた。
「こんなことなら、わたくしの尚侍のまま、ずっと傍にいてもらえばよかった…」
涙の止まらぬ皇后の目許を芙蓉は優しく拭った。
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