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~散花~
第16章 疑惑
「これが、青龍殿の皇太后さまのご寝所の前に落ちていた。なぜです!?」
「そんな……!」
知るはずもない。
こちらが聞きたい。
玉蘭は必死に首を横に振った。
「では問うが、そなた、昨日の巳の刻頃どこで何をしていた?」
「巳の刻…昨日…」
焦りと困惑で混乱した頭を整理する。
「そう昨日です。昨日の巳の刻、皇太后さまは御みずから曲者の気配を察し広縁にお出ましになったところ、この小袋が落ちているのをご覧あそばしたのです」
「昨日…昨日はこの座敷に参上したあと、女官長さまのお言いつけで医房に参りました。そこで典医さまの触診を受けておりました。皆さまご存じのはずです!」
玉蘭は胸を張って答えた。