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~散花~
第16章 疑惑
「もうよい。ここでは埒が明かぬ。皇太后さま御みずからお取り調べ下さるとのことゆえ…」
女官長の合図で内官が歩み寄り、玉蘭の腕を後ろ手に縛り上げた。
「女官長さま!?」
玉蘭は悲鳴を上げた。
「青龍殿へ連れてお行き」
非情な命令。
(どうして!? どうしてこんなことに――)
あっけにとられる者。
気の毒そうに目線を逸らす者。
穢らわしい物でも見るように睨んでくる者。
野次馬の様々な視線に晒されながら、玉蘭は連行されてしまった。
16章 完