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第31章 　その夜…

｢いったい何の騒ぎです｣

朱佳が蔀を開いて咎める。

｢朱佳さま!! これをご覧くださいまし｣

憤慨した様子の内侍が指差した先には――

｢この料理は…何事ですか｣

100品以上の料理皿を載せた懸盤が庭先に運びこまれていた。

｢南殿の女官が運んで参ったのです。第一夫人さまからの……お下げ渡しだと｣

｢なっ……｣

朱佳が言葉を失う。ハッとして振り返ると、芙蓉も青ざめていた。

｢芙蓉さま、これがあの者の本性です。御膳の下げ渡しなどと、まるで女官に対するかのような仕打ち…、芙蓉さまへの侮辱です！｣

｢騒ぐでない｣

しかし芙蓉の指先は、わなわなと震えていた。




　　　　　31章 完