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~散花~
第33章 覚悟

「きみは縫殿寮の女官なの?」
「は…はい! 左様でございます!」
「そうか。第一夫人の内侍になりたいというのは見上げた向上心だけれど、主人の許可を待たずに入室するようでは、まだまだ女官としての心得が足りないみたいだね」
「も…申し訳ありません!」
返事は殊勝だ。
しかし女官の瞳は、まのあたりにしている現状への好奇心から、らんらんと光ってしまっている。
「その反物を置いたら出て行ってもらえるかい?」
「は…はい!」
「俺がここで琳夫人と一緒に居たことを他言してはいけないよ?」
「も、もちろんでございます!」
胸を張る。
秀瑛は女官の様子をじっ…と見つめた。

