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~散花~
第34章 余韻
「――――――!!」
そこでいつも、突然我に返る。
そして罪悪感におそわれるのだ。
(わたしのばか!! 何を期待してるのよ!)
あわてて平常心を呼び醒ます。
自分は今上の後宮に入内した身。
これから、帝との初夜を迎える立場だ。
他の殿方に心ときめくなど、努々あってはならない。
そう。
(きっと秀瑛さまは、わたしの帝への忠誠心を試すためにわざとあんなことをしたのだ)
あれしきのことで心をかき乱されるようでは、これから明かされる“秘密”を共有することなどできまい。
玉蘭は赤く火照った顔を必死に両手であおいだ。