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~散花~
第34章 余韻
幸い、玉蘭が妄想と平常心の葛藤に長く縛られることはなかった。
というより、怒涛の饗宴三昧の日々に襲われ、それどころではなかった。
まず、紅梅宮で側妃の顔合わせを兼ねた茶会が催される。
そこに臨席した皇太后が、名匠の手による茶器を披露したいと仰せになり、青龍殿での鑑賞会が始まる。
その打ち上げという名目で皇后が玄武殿に設えた宴席に皆が招かれ、さらにその御礼という口実で紅梅宮主催の後宴が開かれる。
そのすべてに玉蘭は第一夫人として出席し、満面の愛想笑いを浮かべ、勧められるままに酒を呑み、豪勢な食事を口に運び続けた。
こうして、あっという間に五日が過ぎた。