この作品は18歳未満閲覧禁止です
![](/image/skin/separater16.gif)
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第41章 苦悩
![](/image/mobi/1px_nocolor.gif)
「でも、ですね。実は芙蓉さま…」
朱佳は本当に何やら楽しそうだ。
「わたしの知り合いが鳳凰殿の掃司で女蔵人をやっておりまして、それで今、耳寄り情報を差し入れてくれたんです」
「耳寄り情報ですって?」
芙蓉は眉をしかめた。
いくら下働きとはいえ、帝の御殿に勤める者が軽々しく内情を他所へ漏らしてしまうなんて…。
短慮が過ぎはしないだろうか。
しかし朱佳はまったく気にしていない様子で、
「今、陛下は午後の政務を終えられ、囿苑に散策へお出座しあそばされたそうでございますよ」
うふふ、と笑った。
![](/image/skin/separater16.gif)
![](/image/skin/separater16.gif)