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~散花~
第4章 禊
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「今は昔の話だけれどね…」と、まるで玉蘭の緊張をほぐすかのように玲利は雑談を始めた。
「いつの御代のことか、帝が虜囚の娘を見染めて後宮に迎えたの。ところが娘は、一族を滅ぼした帝を恨んでいた。そこで陰の毛の茂みに剃刀の刃を隠し、帝の閨に侍った。弑し奉らんとしたのよ」
「えっ……それで、帝は…?」
「幸い、娘の企みは暴かれ帝はご無事だったわ。以来、後宮の女人には剃毛が義務づけられるようになったというわけ」
昔話の合間にも、玲利の手は巧みに剃刀を操っていた。
「はい、終わり。きれいに剃れたわ」
玉蘭は半身を起こして下腹部を覗きこんだ。
もともと多い毛量ではなかったが、今やつるつるの白肌を見て玉蘭は気恥ずかしさを感じた。
これではまるで幼子のようだ…。
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